不思議を育てるおうち実験①~声コプターの失敗から学ぶ音と振動の遊び

こんにちは。tomyです。

昨年は新型コロナウイルスの影響で、家にこもって遊ぶことも多かったですね。家にいると、だんだん遊びもマンネリ化してくるし、よくわからないルールのごっこ遊びに付き合いきれない気分の時もあります。

そんな時は、それとなく工作や実験系の遊びに誘います。いつも思いつきなので、ほとんど家にあるものでできる簡単なものです。でも、意外と奥深い。いくつか実践したおうち実験の中で、3歳の息子の反応がよかったものを少しずつご紹介したいと思います。

第一弾は声コプター!失敗から学んだコツと簡単原理を理系ママ目線でご紹介します。小学生くらいなら、不思議で終わらず考察までできるかな?

楽しむのが一番!おうち実験のすすめ

子どもの年齢によっておうち実験の目的は変ってくると思います。わが家では3歳児を対象としているので、実験を通して難しい原理を理解してもらうことが目的ではありません。

おうち実験を楽しんでくれればOK。その時、興味を押し付けないように気を付けています。興味がなければ、さっと引きあげます。運よく食いついて、「なんで?」という気持ちを引き出せればラッキー!なんとなく、こんなことしたなぁと記憶に残ってくれるといいなと思っています。

今回は、見た目にも楽しい「声コプター」を通して、声と振動の不思議に触れてみます。

声コプターのここがいい
  • プロペラが回る動きが楽しい
  • 紙コップを自分好みにデザインできる
  • 大声を出していい
声コプターのここがもうちょっと
  • 作り方は簡単だけど意外と繊細なので、未就学児が作るのは難しい(親も苦戦)

対象年齢
2歳以上くらい(つま楊枝を安全に扱える年齢)

声の振動でプロペラが回る!声コプター


作り方はこちらのInstagramを参考にしました。

材料

  • 紙コップ
  • つま楊枝
  • 折り紙くらいの厚さの紙
  • テープ
  • 粘土(なければテープで止めればOKでした)

紙コップ工作にはまっている息子にピッタリ。Instagramの動画を見せると、さっそく食いつきました。喜んで紙コップにお絵描きをして、ワクワク!クレヨンで息子が大好きなレインボーに装飾しました。サッと簡単に作って、声でプロペラが回って大喜び…を想像していましたが、これがなかなか成功せず、奥深かったんです。

【失敗談】プロペラは簡単には回らない…ポイントは3つ

Instagramを参考に工作して、いざ声を出してみてもピクリとも回りませんでした。それどころか、つま楊枝は振動すらしていません。意外と繊細です。

つま楊枝の先は紙コップの真ん中に当たるように

Instagramの作り方では、つま楊枝を固定する位置について指定されていません。紙コップの振動がつま楊枝に上手く伝わればどこでもいいのですが、調べてみたところ、つま楊枝の先端が紙コップの真ん中に当たるようにテープで固定するといいみたいです。
紙コップの底は真ん中が一番柔らかくて振動しやすいですからね。

この工夫で、つま楊枝に振動が伝わり、プロペラがブルブルと震えるようになりました。しかし、まだ回りません。回りそうなのに、何かにひっかかって回りません。

プロペラの穴はきれいに丸く

何にひっかかっているかというと、プロペラを刺している穴の凹凸です。プロペラに開ける穴が一番の要になっています。はじめは、つま楊枝でブスッと適当に穴を開けていましたが、これだと丸がいびつです。

あーっと声を出してみて、プロペラが震えて回りそうなんだけど回らないというときは、この穴が上手く開いていないことが原因のひとつです。
また、穴は大きすぎても小さすぎてもプロペラは回りません。

できるだけ、つま楊枝の先端にくるようなサイズの穴を開けます。
その時、穴がきれいな丸の形になるように、つま楊枝で整えたりカッターで不要な部分を取り除いたりしてみるといいですよ。

つま楊枝ではなく縫い針を使えばプロペラの穴との摩擦が小さくなって、回りやすくなるのではないかなぁとも思います。針は危ないかなと思って試していませんが、扱える年齢であればぜひ、試してみてください。

前屈みに&高音で叫ぶ

この時点で、時間がかかりすぎてしまって息子の興味が他に反れてしまいました。でも、ママは悔しくてまだ頑張ります。

低音の緩やかな振動よりも、高音の細かい振動の方がプロペラは回りやすくなります。いろんな声で試してみてください。

私は、試行錯誤しながら何度もいろんな声で「あー」「あー」と言いすぎて、パパから白い目で見られていました…。この実験をするときには、必ず家族に説明してからでないと、「この人は気でも狂ったか?!」と思われるので注意です。

また、前述の通り、つま楊枝の先端ほど回りやすくなります。プロペラが先端の方にいくように、少し前屈みになって声を出すといいですよ。

もう少し深堀りしてみよう

ここからは、少しお勉強要素が入ってきます。未就学児には難しいかもしれないけど、小学生の自由研究などには参考になるかもしれません。

回らない原因を突き止めてみる

息子は途中で飽きてしまったけれど、ママは「なんで回らないんだろう」「回してみせる!」と夢中になってしまいました。

考えられる要因はいろいろあります。プロペラのサイズやつま楊枝の長さ、声の出し方など、なぜ回らないのか仮設を立てては実行し、評価して改善する、そんなPDCAのサイクルを学ぶのにもピッタリです。論理的な思考は、実験でなくても実生活のあらゆる場面で役立ちます。
この時、簡単な表にまとめられるとベストです。

どんな原理でプロペラが回るのか?

声コプターの原理は、フラフープを回す原理に似ています。
私はフラフープをあまりやったことがなく、回せたことがありません。回そうと必死になって腰を回しますが、腰は回してはいけないらしいですね。前後または左右に直線的に揺らすのがポイントだそうです。

話は反れましたが、声コプターも声の振動がつま楊枝を細かく揺らし、プロペラが回ります。もっと詳しく言うと、縦波の振動が複雑に紙コップ、つま楊枝に伝わっています。声(音)を振動ととらえる…言葉で言ってもピンときませんが、目に見える体験を重ねるとなんとなくイメージできるかなと思います。
個人的な意見ですが、科学ってイメージが大切です。

類似実験もやってみよう

定番の”糸電話”は導入にピッタリ

音は振動だということを感覚的に理解する方法は他にもあります。わが家では、声コプターよりも先に糸電話をやってみました。

用意するもの

  • 紙コップ 2個
  • 糸 (たこ糸の代わりに刺繍糸を使用)
  • テープ

作り方

  1. 紙コップの底の中心に穴を開ける
  2. ①の穴に糸を通す
  3. 糸と紙コップをテープで固定する

息子は、小さなコップから聞こえる声が不思議みたいで、部屋の隅から隅まで糸を伸ばしてパパと秘密の会話を楽しんでいました。
定番で簡単ながらも、息子の食いつきはとてもよく、音の不思議に触れる導入としてはピッタリかなと思います。

こんなことがわかります

・ピンと糸を張らないと聞こえない
・声を出している時に糸を触るとブルブルしている
・糸が壁に当たるとザーザー雑音が聞こえる

懐かしの(?)伝承玩具”ガリガリとんぼ”

音の振動と回転運動の関係を調べていると出てきたのが”ガリガリとんぼ”です。知っていますか?古くからある遊びみたいですが、私は初めて知りました。
振動がプロペラを回すという原理は、声コプターと同じです。

用意するもの

  • 割箸 2膳
  • 針金
  • 画びょう
  • テープ

作り方

  1. 割箸1膳を割らずに、上から2~10cmの間に針金を巻く。この時、針金の間隔は3~5mmほど。
  2. 針金の上下をテープで固定する。
  3. 8×1.5cmに切った紙の中心に画びょうで穴を開ける。画びょうで少しだけ穴を広げる。
  4. ②の割箸の上部に③の紙を画びょうで止める。紙が回る余裕を持たせておく。
  5. もう1膳の割箸を割って、1本を使ってガリガリこする。

針金や画びょうを使うので、3歳の息子が作るのは難しいかなと思い、ママがこっそり作りました。針金が家になかったので、使わなくなったリングノートのリングを外して代用…なので、巻き方が雑でお恥ずかしい。もちろん、未使用の針金の方がきれいに巻けます。
これも、プロペラを回すのにコツがいりました。割箸の角を使って激しくこするときれいに回りました。

ただ、息子はママがこっそり回す練習をしている姿に興味を示したものの、プロペラが回るところを見てもそれほどテンションは上がりませんでした。やはり、声コプターの方が見た目の華やかさもあり、なにより、自分が製作に関わったかどうかも影響しているのでしょう。

どうせするなら、声コプターと同じタイミングでしてみせた方が、声と振動の繋がりがイメージしやすいのではないかなと思います。

こんなことがわかります

・声の代わりにガリガリしてもプロペラを回せる

まとめ

声コプターと、それから派生した糸電話、ガリガリとんぼを通して声と振動の不思議に触れてみました。
糸電話は簡単で子どももはまっていましたが、声コプターとガリガリとんぼは意外とプロペラを回すのが難しく、3歳児の集中力がもたなかったというのが正直なところです。でも、声が何らかの動きをもたらすことや、それを表現するのが難しかったことなどが記憶の片隅にでも残ってくれるといいかなと思います。
もう少し大きくなったら(小学生くらい?)、昔のことを思い出しながら、再チャレンジしてみても面白いかなと思っています。

クッキング要素を取り入れた、こんな実験もおすすめです!

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